Cloudflare × Google Workspace 設定ガイド

はじめての独自ドメインメール

自分のドメインを取って、Google Workspace でそのドメインのメールを使えるようにするまでを、画面の順番どおりに説明します。上から1つずつ進めれば、初めての方でも最後までたどり着けます。

このガイドを終えると、こんなメールアドレスが使えるようになります
taro@example.com
example.com の部分が、あなたが取得するドメインになります
作業時間の目安1〜2時間
ドメイン代(.com)年1,500円前後
Workspace1人分の月額

金額は2026年9月時点の目安です。ドメイン代はドル建て(.com は年10.46ドル)なので為替で変わります。Workspace の料金はプランによって違うので、申し込み画面で確認してください。

全体の流れ

  1. ドメイン名を決める紙とペンでできます
  2. Cloudflare でドメインを取得するここで支払いがあります
  3. Google Workspace に申し込むメールアドレスが決まります
  4. ドメインを Google につなぐボタンを押していくだけです
  5. 迷惑メール対策を入れる一番つまずきやすいところです
  6. 2段階認証でアカウントを守る必ずやってください
  7. テストメールで確認する3つの「PASS」が出ればゴールです

始める前に用意するもの

画面の表示について

Cloudflare の画面は英語、Google の画面は日本語で説明しています。ボタンの名前は このように 囲んであります。サービス側の更新で、言葉や配置が少し変わることがあります。

画面の例は、架空のお店「佐藤商店」の佐藤太郎さんが、example.com というドメインで設定したときのものです。名前・住所・メールアドレスはすべて架空です。あなたの画面では、ご自分の情報が表示されます。

STEP 1

ドメイン名を決める

目安 30分費用なし

ドメインは、メールアドレスやホームページの住所になる部分です。一度決めると名刺やメールに長く使うので、次の4つを満たす名前を選びます。

  1. 事業の中身が変わっても使える名前にする

    「英語」「PC」などサービス名を入れると、事業が広がったときに合わなくなります。屋号や、大切にしている考え方を表す言葉がおすすめです。

  2. 口で伝えやすい名前にする

    電話や対面で「〇〇ドットコム」と言って、相手がそのまま打てるかを試してください。ハイフン(-)は1つまでにします。

  3. 末尾は .com にする

    一番見慣れていて、信頼されやすい形です。.work や .site などの格安ドメインは、迷惑メールに使われることが多く、メールが相手に届きにくくなることがあります。

  4. 候補を3つ用意しておく

    短くて良い名前ほど、すでに誰かが使っています。次の STEP 2 の検索で空いているかを確かめます。

STEP 2

Cloudflare でドメインを取得する

目安 15分支払いあり

Cloudflare(クラウドフレア)は、ドメインを原価で販売しているサービスです。2年目以降も値上がりしにくいのが特長です。

  1. Cloudflare にログインします。アカウントがなければ、先に無料で作成します。

    https://dash.cloudflare.com/
  2. ドメイン登録の画面を開きます。下のアドレスを開くか、左メニューの Domain Registration → Register Domains から入ります。

    https://dash.cloudflare.com/?to=/:account/domains/register
  3. 検索欄に STEP 1 で決めた名前(例:example.com)を入れて検索し、空いていれば選びます。

  4. 登録者の情報(Registrant information)を入力します。

    First name / Last name名前をローマ字で(例:Taro / Sato)
    Emailふだん使っている Gmail新しく作るドメインのアドレスは入れません。ドメインが止まったとき、更新のお知らせが受け取れなくなるためです。
    Organization個人なら空欄のままで大丈夫です
    Phone+81 を選び、携帯番号の先頭の 0 を取って入力します例:090-1234-5678 なら 9012345678
    Address など住所をローマ字で入力します(例:1-2-3 Chuo, Chuo-ku / Sapporo / Hokkaido)この住所や電話番号は、Cloudflare の初期設定で外部には公開されません。
    Cloudflare の登録者情報の入力画面。名前、メール、電話番号、住所を入力する欄が並んでいる
    登録者情報の入力例。電話番号は先頭の 0 を取っています
  5. 自動更新(Auto-renew)がオンになっているかを確認してから、支払いを確定します。

    ここは大事です

    更新を忘れてドメインが切れると、他の人に取られることがあります。取られたドメインは広告ページなどに変わり、古い名刺のリンクがそこへつながってしまいます。自動更新をオンにし、登録したカードの有効期限にも気をつけてください。

  6. 登録した Gmail に Cloudflare から確認メールが届くので、中のリンクを押します。

ここでやらないこと

Cloudflare の Email Routing(メール転送)はオンにしません。このあと設定する Google のメールとぶつかります。

STEP 3

Google Workspace に申し込む

目安 15分支払いあり
  1. Google Workspace のページを開き、申し込みを始めます。

    https://workspace.google.com/intl/ja/
  2. 画面の質問に、次のように答えていきます。

    会社名屋号(例:佐藤商店)。なければ自分の名前管理画面に出る名前です。あとから変更できます。
    従業員の数自分だけあとから人を増やすこともできます。
    現在のメールアドレスふだん使っている Gmail請求のお知らせや、ログインできなくなったときの連絡先になります。この先も確実に見るアドレスにします。
    アカウント設定方法既存のドメインを使用して設定するSTEP 2 で取ったドメインを使います。左の「新しいカスタムドメインを取得する」を選ぶと、ドメインをもう1つ買うことになります。
    ドメイン取得したドメイン(例:example.com)
    ユーザー名@ より前の部分(例:taro)これがメールアドレスとログインIDになります。あとから変えるのは手間がかかるので、ここで決めきります。
    パスワード新しく作り、パスワード保存アプリに控えます
    「さっそく使ってみましょう」の画面。会社名、従業員の数、地域を入力する
    最初の画面。従業員の数は「自分だけ」を選びます
    「ご連絡先をお知らせください」の画面。姓、名、現在のメールアドレスを入力する
    連絡先には、ふだん使っている Gmail を入れます
    アカウント設定方法の選択画面。左に「新しいカスタムドメインを取得する」、右に「既存のドメインを使用して設定する」
    右側の「既存のドメインを使用して設定する」を選びます
    ユーザー名とパスワードの入力画面。ユーザー名の欄の右側に @example.com と表示されている
    ユーザー名の欄に @ より前の部分を入れます(例:taro)
  3. プランと支払い方法を選びます。

    • 1人で使うなら Business Starter か Business Standard で十分です。
    • 最初は月単位の「フレキシブル」で始め、1〜2か月使ってから年間プランに切り替えるのがおすすめです。
    年間プランを後回しにする理由

    年間プランは割安ですが、契約期間中は下のプランに変えられません。フレキシブルから年間へはいつでも移れるので、使い方が固まってから切り替えます。

  4. 請求先の住所を入力します。住所は、あとから管理画面の「お支払い」で変更できます。

    請求先の連絡先情報の入力画面。郵便番号、都道府県、市区郡、住所、組織名、正式名の欄
    組織名には屋号、正式名には自分の名前を入れます
STEP 4

ドメインを Google につなぐ

目安 10分

「このドメインの持ち主は自分です」と Google に証明し、メールが Google に届くようにします。Cloudflare を使っていれば、ほとんど自動で終わります。

  1. 「ドメインを設定しましょう」の画面で 始める を押します。

    「ドメインを設定しましょう」の画面。所有権の証明と Gmail の使用開始の2項目と「始める」ボタン
    右下の「始める」を押します
  2. 所有権の証明に進みます。Cloudflare にログインするボタンが出たら、それを押して許可します。確認用の設定が自動で入ります。

  3. 「Gmail を有効にする」の画面では、ユーザーは自分1人のままにして 有効化を進める を押します。

    ユーザーを増やすと、その分だけ料金が増えます。info@ のような窓口用のアドレスは、あとで「別名(エイリアス)」として無料で追加できます。

    「example.com のすべてのユーザーに対して Gmail を有効にする」画面。ユーザー欄に自分1人と「有効化を進める」ボタン
    ユーザーは追加せず、「有効化を進める」を押します
  4. 「所有権が証明されました」「Gmail を利用できるようになりました」の2つに緑のチェックが付けば完了です。

    「ビジネスデータのインポート」は、移したいデータがなければやらなくて大丈夫です。

    所有権の証明と Gmail の有効化の2項目に緑のチェックが付いた完了画面
    緑のチェックが2つ付けば、この STEP は完了です
設定の名前役割入れ方
TXT(所有権の確認)ドメインの持ち主の証明自動で入る
MXメールを Google に届ける自動で入る
SPFGoogle から送ったメールだと証明する自動で入る
STEP 5

迷惑メール対策を入れる

目安 20分手で入力します

あと2つ設定を足すと、送ったメールが相手の迷惑メールフォルダに入りにくくなります。この2つは自動では入らないので、Cloudflare に自分で追加します。

設定の名前役割入れ方
DMARCなりすましメールへの対応方針を示す手で追加
DKIMメールに電子署名を付ける手で追加

5-1 DMARC を追加する

  1. Cloudflare でドメインを開き、左メニューの DNS → Records を開きます。

  2. 青い + Add record を押し、次のとおり入力して Save を押します。

    TypeTXT
    Name_dmarc
    Content下の文字をコピーし、最後の部分を自分のアドレスに書き換えて貼ります
    TTLAuto のまま
    v=DMARC1; p=none; rua=mailto:[email protected]

    p=none は「まずは様子を見る」という設定で、メールが止まることはありません。rua= の宛先には、数日おきに集計レポートが届きます。

    Cloudflare の DNS records 画面。青い Add record ボタンと、MX・TXT の設定が並んだ一覧
    「+ Add record」は一覧の右上にあります。保存すると、一覧に _dmarc の行が増えます

5-2 DKIM を追加する

  1. Google の管理画面の「メールの認証」を開きます。

    https://admin.google.com/ac/apps/gmail/authenticateemail
    アカウントの選択が出たら

    ふだんの Gmail ではなく、別のアカウントを使用 を押して、STEP 3 で作った新しいアドレスでログインします。管理画面には新しいアカウントでしか入れません。

    「管理者アカウントでログインしてください」と表示されたアカウント選択画面。一番下に「別のアカウントを使用」
    一覧に出ているふだんの Gmail は選ばず、一番下の「別のアカウントを使用」を押します
  2. 画面に「TXT レコードの値」が表示されているか確認します。

    • すでに v=DKIM1; k=rsa; p=MIIB… のような長い文字が出ていれば、それを使います。新しいレコードを生成 は押しません(押すと値が変わります)。
    • 何も出ていなければ 新しいレコードを生成 を押し、鍵の長さは 2048 のまま 生成 を押します。
    DKIM 認証の画面。灰色の枠に DNS ホストの名前 google._domainkey と TXT レコードの値、下に「認証を開始」ボタン
    灰色の枠の中が、コピーする値です。実際の画面では p= のあとに長い文字列が続きます
    「新しいレコードを生成」の小窓。鍵のビット長 2048、プレフィックス セレクタ google、右下に「生成」ボタン
    値がまだないときだけ使う画面です。2048 と google のまま「生成」を押します
  3. 「TXT レコードの値」を、最初の v=DKIM1 から最後の文字まで、マウスでなぞって全部コピーします。

    手で打ち写さない

    小文字の l と大文字の I、数字の 0 と英字の O は見分けがつきません。1文字違うだけで認証が失敗するので、必ずコピーして貼り付けます。

  4. Cloudflare に戻り、もう一度 + Add record を押して入力し、Save を押します。

    TypeTXT
    Namegoogle._domainkey
    ContentGoogle でコピーした値を貼り付け

    保存後、値が2つに分かれて表示されることがあります。長い値を Cloudflare が自動で分けているだけなので、そのままで大丈夫です。

  5. Google の画面に戻って 認証を開始 を押します。ステータスが「メール認証を行っています」に変われば完了です。

    「DNS レコードが見つかりません」と出たら、数分〜1時間ほど待ってからもう一度押します。

STEP 6

2段階認証でアカウントを守る

目安 10分

新しいアカウントは、このドメインのメールを全部管理する「管理者」です。パスワードだけで守るのは危ないので、スマホでの確認を追加します。Workspace を使う一番大きな理由は、ここにあります。

  1. 新しいアカウントでログインしたまま、2段階認証の設定画面を開きます。

    https://myaccount.google.com/signinoptions/two-step-verification
  2. パスキーとセキュリティ キー でパスキーを1つ登録します(すでに1件あれば、そのままで大丈夫です)。

  3. 認証システム を押し、表示された QR コードをスマホの「Google Authenticator」アプリか、iPhone の「パスワード」アプリで読み取ります。アプリに出た6桁の数字を入力します。

    パスキーを入れた端末をなくしたときの予備になります。

  4. 一番下の 2 段階認証プロセスを有効にする を押します。このボタンを押すまで有効になりません。

    2段階認証プロセスの設定画面。パスキーと認証システムに緑のチェックが付き、一番下に「2 段階認証プロセスを有効にする」ボタン
    パスキーと認証システムに緑のチェックが付いたら、一番下の青いボタンを押します
  5. 有効になったら、同じページで バックアップコード を発行し、パスワード保存アプリに控えます。スマホを全部なくしたときの最後の鍵です。

電話番号は登録しなくて大丈夫です

SMS(ショートメール)での確認は、番号を乗っ取る手口があり、今回の方法の中で一番弱い守り方です。パスキー・認証アプリ・バックアップコードの3つで十分です。

STEP 7

テストメールで確認する

目安 5分
  1. 新しいアドレスから、ふだん使っている Gmail にメールを1通送ります。件名も本文も何でも大丈夫です。

  2. ふだんの Gmail で届いたメールを開き、右上の ︙ → メッセージのソースを表示 を押します。

  3. 一番上の表で、次の3つがすべて PASS になっていればゴールです。

    SPFPASS
    DKIMPASS
    DMARCPASS

    どれかが PASS でないときは、下の「つまずきやすいところ」を見てください。設定が反映されるまで、最大で1日ほどかかることもあります。

つまずきやすいところ

管理画面を開くと「管理者アカウントでログインしてください」と出る

ふだんの Gmail でログインしているためです。別のアカウントを使用 を押して、新しいアドレスでログインし直してください。

DKIM の「新しいレコードを生成」が押せない・24〜72時間待つよう表示される

Gmail を有効にした直後は、DKIM の準備がまだできていないことがあります。1日ほど待ってから、もう一度画面を開いてください。すでに値が表示されていれば、待たずに進めて大丈夫です。

Cloudflare に「Visitors cannot reach …」という表示が出る

「このドメインにホームページがありません」という案内です。メールには関係ないので、ホームページを置くまでは気にしなくて大丈夫です。

DMARC を入れたのに「Add a DMARC record」の表示が消えない

画面の更新が遅れているだけのことが多いです。しばらくしてからページを開き直してください。一覧に _dmarc の行があれば、設定はできています。

電話番号を入れたらエラーになった

+81(日本)を選んでいる場合、携帯番号の先頭の 0 を取って入力します。例:090-1234-5678 → 9012345678

テストメールで DKIM だけ PASS にならない

値のコピーが途中で切れているか、Google で 認証を開始 を押していない可能性があります。Cloudflare の google._domainkey の行を開き、値が v=DKIM1 から始まって最後まで入っているか確認してください。

設定が終わったら

急がなくて大丈夫です。落ち着いたタイミングで進めてください。

info@ などの窓口アドレス管理画面の「ユーザー」→ 自分 →「代替のメールアドレス(エイリアス)」から無料で追加できます
名刺・署名の差し替え名刺、メールの署名、ホームページの連絡先を新しいアドレスに変えます
1か月後:DMARC を強める問題がなければ、p=none を p=quarantine に変えて、なりすましメールを迷惑フォルダへ送るようにします
1〜2か月後:プランの見直し使っている機能を見て、年間プランに切り替えるか決めます

チェックリスト

終わった項目にチェックを入れていけます。チェックはこのブラウザにだけ保存されます。

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